| 誰でも人生に行き詰まった経験があるだろう。心身共に行き詰まった状態。人との関係がおっくうになり、自分とのつながりも希薄になったとき。こんなとき、あなたならどうする?
エネルギーは、よく水にたとえられる。エネルギーの性質が水に類似するからだ。
流れている水は、新鮮で澄んでいる。溜まって流れない水は、澱んで悪臭を放つようになる。溜まって澱んだ水は、孤立してどこにも流れない。水は高いところから低いところへ流れる。エネルギーにも同様のことがいえる。
では、澱んだ水を再び流れる新鮮な水にするにはどうすればよいのだろう?
まず、流れをせき止めている障害物(ゴミ)を取り除くことから始めることだ。澱んで流れをせき止めている小石を1つ動かしただけで、一気に停滞していた水が流れ始めることがある。それには、外部からのショックがきっかけとなることが多い。自ら生死をさまような体験をしたり、失恋、失業、身内や知人の不慮の死などによって、人生を振り返らなくてはならない状況におちいった人が、今までの価値観を捨てて、まったく別人のようになったという話はよく聞く。今まで、後生大事に持っていた価値観がもろくも崩れ去るとき、これまでの人生を検証せざるを得ない。そのときの対応の仕方で、人生はずいぶんと変わってくる。パニックに陥って右往左往する人と、変革の機会を手に入れる人とでは……。人は元来、怠け者にできているらしく、よほどのことがない限り、太平の眠りを貪り、自らを変革しようとしないようだ。しかし、慈悲深い「神」は、忍耐強く何度でもチャンスを与え続けてくれる。「目覚めよ!目覚めよ!」と……。
そういった外部からの働きかけがない場合、またはそれに気がつかない場合は、どうしたらよいだろう?閉塞状態のとき、どのようにエネルギーを動かして、清い水の流れを手にいれるか?
最初に自分がどのようにエネルギーを使っているかを検証してみる必要がある。エネルギーの使い道には2とおりある。1つは外側にエネルギーを使う方法、もう1つは内側にエネルギーを使う方法だ。
外側にエネルギーを使うとは、見栄え、体裁、世間体を気にしたり、名声を追い求めたり、物を集めたり、人に愛されることを求めたりすることだ。それらのものは自分の本質的なものではなく、すべて自分の外側のものだ。外側にあるがゆえに、自分でどうすることもできない。外側にエネルギーを使っている状態では、当然自分の内側は空っぽになる。そして、自己のエネルギーを外側で消耗してしまい、疲れてしまう。
内側にエネルギーを使うとは、自分を感じること、自分を愛すること、創造的になることだ。自分の内側にエネルギーを使うと、エネルギーが温存され、内側にエネルギーが満ちてくるので疲れない。
1日の中でどのようにエネルギーを使っているか見てみると、多くの人がいかに自分の外側に向かってエネルギーを使っているかを知って、愕然とするだろう。このようにエネルギーの誤った使い方に気づくことが、エネルギーを動かす第一歩となる。
エネルギーを動かすには、まず自分でどうにかするという方法がある。はじめにエンジンを始動するときには、少し力がいる。まず、突破口を作らねばならない。自らが積極的にエネルギーを投入できるものを見つけることだ。それは、自分の心が満たされるような趣味でも仕事でも恋愛でもいい。スポーツなどで、身体を動かすことがきっかけとなることもある。我を忘れるほどにエネルギーを投入できるもの、ワクワクできるものを見つけることだ。子供のような心で「わーおもしろい!やってみよう!」と興味を持続できるものを持つことは、人生をイキイキとさせてくれる。
いったん内側でエネルギーが動き始めれば、それを持続していくことは比較的簡単だ。エネルギーが動き始めると回転し始めた車輪のように勢いがついて動いていく。まず、自分との関係性ができてきて、内側でエネルギーが動き始めると、それは自ら道を求めて外側に流れ始め、内側と外側の間で循環するようになる。関係性が出てくるのだ。また、動的な瞑想(ダイナミック瞑想など)が役に立つことはいうまでもない。瞑想は、自分との関係を作ることだ。
そして、もう1つできることは、自分でストロークを与えることだ(何かを達成したときなどに、自分を褒めてあげたりすること)。誰でも褒められると悪い気はしない。しかし、残念ながら、子供のころに親に褒められた経験を持つ大人は少ない。失敗や欠点を指摘されると、人間はどうしても萎縮したり、自信がなくなったりするものだ。やがて、自分は何をやっても駄目なんだという気持ちになり、自分は価値がない人間なんだという観念にとらわれてしまう。さらには、新しいことに挑戦したいという気も失せ、悪循環に陥ってしまう場合もある。外側の厳しい声にもめげず、自分の内側にうまくストロークを与えることができれば、「よし!もっとやってみよう!」という気持ちが湧きあがり、意欲的になり、「いい循環」ができてくる。そう、誰からもストロークが得られないときは、自分でストロークを与えればいいのだ。
それでも自分でどうにかできないときは、セラピーが助けになることもある。「この小石をすこし動かしたら、水が流れ始めるんじゃないかな?」とヒントを与えられたり、自らの内に秘めた可能性を垣間見る体験をすることで劇的な変化が起こることもある。
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